インターオペラビリティー

ブロックチェーン技術の標準化について(インターオペラビリティ)

はじめまして、当協会代表理事の山下健一@Kenichi_Y)です。

 

この記事では、インターオペラビリティ―とは何かを、初心者にもわかりやすくポイントをまとめて解説したいと思います。

この記事で学べる3つのこと

  • インターオペラビリティーとは何か
  • インターオペラビリティーで何ができるのか
  • インターオペラビリティーの構造

もし、これを読まれているあなたが「暗号資産(仮想通貨って何?」、「ブロックチェーンって何?」と思われた場合は、先に下記の記事を読んで頂けると、この記事の理解がより進むと思われますので、まずは「仮想通貨初心者がビットコインをわかりやすく説明する方法」の記事をお読みいただけたら幸いです。

インターオペラビリティーと加納氏

bitFlyer Blockchain Co-Founder/CEOである、加納裕三氏のツイッターです。

ISOでブロックチェーン標準化の委員を務めているとのことです。加納氏も、ブロックチェーン標準化に大きな期待を寄せているのがうかがえます。

 

次の項目で、ブロックチェーンが標準化されると、どのように世界が大きく変わる可能性があるのか、解説してみたいと思います。

インターオペラビリティーとは

現在、ブロックチェーン技術の国際標準化をめざしたISO(国際標準化機構)のTC307「ブロックチェーンと電子分散台帳技術に係る専門委員会」が存在しており、そこでブロックチェーン標準化についての議論等をしています。

 

加納氏の発言にある、「インターオペラビリティー」とは、相互運用性のことで、複数の異なるシステムを組み合わせて、相互に運用できる状態を指します。

ソフトウェア同士の組み合わせもその1つで、多種多様なデバイスが様々なネットワークに接続可能なことなどもこう呼ばれます。

 

要するに、ものすごく簡単に説明すると、携帯の機種変更しても、今まで通り電話もできるし、アプリも使える。そういった理解で良いと思います。

 

逆に使えなかったら、困りものなので、業界ごとに標準化されるのは、良いことだと思います。

仮想通貨のインターオペラビリティー

仮想通貨にあてはめて、インターオペラビリティーを説明します。

 

ビットコインには、ビットコイン専用のブロックチェーンがあり、イーサリアムにはイーサリアム専用のブロックチェーンがあります。しかしながら、この2つには互換性がありません。

 

よって、ビットコインをイーサリアムに交換する場合、中央集権取引所を介して交換するのが一般的です。

 

しかしながら、インターオペラビリティーの概念の上で構築されたシステム環境があればが、その必要がなくなります。

 

ちなみに、ビットコインとライトコインの間では、インターオペラビリティーが既に構築できています。

 

また、リップル(XRP)は、そもそもお金という「価値」の移転を前提に開発されていますので、
米ドル(USD)→リップル(XRP)→日本円(JPY)といった感じです。

これも、インターオペラビリティーの一例です。

ブロックチェーン

ブロックチェーン標準化時のユースケース

ブロックチェーンは、異なる仮想通貨の交換だけに使用されるわけではありません。

 

ここでは、トレーサビリティ(透明性)を例にとって説明したいと思います。

 

製造業の場合、原材料の生産業者・原材料の加工業者・製品製造業者・卸売り業者・販売業者と、複数の業者が、お客様の手元に届くまで介在しています。

 

さらに、産地や使用されている原材料などは、それぞれの業者がそれぞれ自社のデータベースで管理しているのが一般的です。

 

要するに、自社の前段階の業者の情報を信じて扱うのが通常であり、その結果、改善や偽装が起きる可能性が高まります。

従来のトレーサビリティの図解
出典:NTT技術ジャーナル2018.3 従来のトレーサビリティの図解

それでは、情報の管理にブロックチェーンを使用したらいかがでしょうか?

情報の改ざんや偽装ができないから完璧でしょうか?

 

残念ながらブロックチェーンも完璧ではありません。

 

製造から流通までそれぞれの業者が、それぞれ違った規格のブロックチェーンを使用し、独自に管理していたらどうでしょうか。

 

前段階の業者が何らかの理由で、誤った情報をブロックチェーンに書き込んでいたら、それが正しいこととして、次の段階の業者も信用してしまいます。

 

そこで、ブロックチェーンを標準化し、製造に関わる全ての業者が同じブロックチェーン上で情報を共有するのです。

 

そうすることにより、偽装や改ざんができないトレーサビリティが確保できるようになります。

ブロックチェーンを利用したトレーサビリティの図解
出典:NTT技術ジャーナル2018.3 ブロックチェーンを利用したトレーサビリティの図解

まとめ

この記事では、

 

  • インターオペラビリティーとは何か
  • インターオペラビリティーで何ができるのか
  • インターオペラビリティーの構造

について、お伝えしてきました。

 

インターオペラビリティーは、ISO(国際標準化機構)が主導するか、もしくは業界をけん引する業者のシステムが結果的に標準的な規格として使用されるかは、様子を見ていかなければ分かりません。

 

個人的にはおおまかではありますが、業界ごとにブロックチェーンも標準化の方向へ向かうのではないかと考えています。なぜなら、その方が使う方も扱いやすく、コストも軽減できるためです。

 

また、当協会ではインターオペラビリティーを「インターチェーン」と題し、当協会の上級講座の中でも、その仕組みについて触れています。

 

本当の意味のトレーサビリティは、もうそこまで来ています。

さいごに

当協会では、「仮想通貨とブロックチェーンの本質」を学べる技能検定講座を毎月開催しています。

 

この講座を受講した受講生からは、「インターオペラビリティーやブロックチェーンの理解を深めるにはお勧めの講座です」と口コミいただいています。

 

これら本質の理解を深めたい方は是非、技能検定講座の詳細をご覧ください。

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