中央銀行デジタル通貨(CBDC)、完全な匿名性がなければ一般には普及せず

皆さん、3連休の最終日いかがお過ごしでしょうか。

私は昨晩まで、世の中3連休とは全く知りませんでした。

なにか得したような損したような複雑な心持ちです。

さて、本日はメキシコ銀行の副総裁が「中央銀行デジタル通貨は、完全な匿名性がなければ一般には普及せず」と講演で発言されたニュースを取り上げてみたいと思います。

国際決済銀行(BIS)が7月11日、メキシコ銀行副総裁の講演を公開

メキシコ中央銀行のハビエル・カラフェル副総裁は、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)は、完全な匿名性を提供しない限り、一般市民の間で普及しないとの見解を示した。

CBDC導入にあたり大きな障害となるプライバシー問題に関しては、完全な匿名性がポイントになるとし、「CBDCは完全な匿名性で構築しなければ、一般市民には興味をもたれないだろう」とコメントした。技術まわりの課題については、「国際社会は、新たな技術の可能性を見落とすべきでない」と発言。

引用元:コインテレグラフジャパン
「中央銀行デジタル通貨、完全な匿名性がなければ一般には普及せず」=メキシコ銀行副総裁(2019/07/12)

皆さん、このニュースどう思われますか?

今、使っている法定通貨(日本円)のことを思い出してみながら考えてみてください。

 

当たり前のことですよね。

1万円札に、誰の持ち物か名前が書いてあるわではありませんし、私の財布の中の1万円で、洋服を買おうが食事をしようが国はわかりません。

あなたのご主人は「今日は会議で遅くなるから、夕飯はいらないよ、先に食べててね」と、奥様に伝え出社したものの、ご主人の取引履歴を確認したらキャバクラに行っていた。なんてこともビットコインのように取引履歴が公開されていたらあり得ない話しではありません。

これは困る!と思われた方も多いのではないでしょうか。

だから、基本的に日本でも中央銀行デジタル通貨(CBDC)が発行される際には匿名性は保証されるだろうと私は考えています。

ただ、次の項目のような思惑も、国にはあるかもしれません。

税金の徴収を確実に

中央銀行デジタル通貨(CBDC)が導入されると、国はお金の流れを追うことができるようにすることができます。

全てブロックチェーン上に取引の履歴が記載されるからです。

そうすれば、本来なら徴収できるはずの税金を取ることができるように、仕組み上は可能になるはずです。

ただ、個人情報の保護の観点から難しい問題もあるので、議論の余地はあると思います。

税務署にだけしか、取引履歴が閲覧できない仕組みにしたとしても、なにか気持ち悪さみたいなものが残ります。

まとめ

例えば、過去に性犯罪を犯した人にGPSを装着させる義務がある国も世界にはあります。

そういった過去に脱税の前歴がある人のみ、監視するようにするということも考えられると思います。

また、個人が使用する中央銀行デジタル通貨(CBDC)は、完全匿名にし、法人に関しては、お金を追えるようにしても良いかもしれません。

もちろん、個人、法人どちらも完全匿名でもかまいません。

それでも、国としては法定通貨を発行するコストの削減に、中央銀行デジタル通貨(CBDC)は大いに貢献できるはずですから。

最後にひとつ。

この中央銀行デジタル通貨(CBDC)がイコール暗号資産(仮想通貨)かと問われれば、答えは少なくとも日本ではNOです。

法定通貨をデジタル化しただけで、仮想通貨として法的に認められる要件を満たしていない可能性が高いからです。

詳しくは、2019/06/28の記事(リブラ(Libra)は法的に仮想通貨(暗号資産)にあたるのか?)に書かれているので、ぜひ一読していただき考えていただけると、うれしいです!

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