日本銀行、「決済の未来フォーラム」開催!~日銀副総裁がCBDCに言及~

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

本日は、日本銀行、「決済の未来フォーラム」開催!~日銀副総裁がCBDCに言及~、という話題を取り上げてみたいと思います。

決済の未来フォーラム概要

2020年2月27日、日本銀行は「決済の未来フォーラム:中銀デジタル通貨と決済システムの将来像」を開催致しました。

日時

2月27日(木) 会合14:00-17:40、懇談17:50~

プログラム(発表当時の予定)

  1. 開会挨拶
    日本銀行副総裁 雨宮 正佳による挨拶(予定)
  2. 日本銀行決済機構局による論点提示
  3. ディスカッション(ラウンドテーブル参加者)
    1. (1)リテール決済サービスの市場構造
    2. (2)ホールセール決済における技術革新
    3. (3)クロスボーダー送金の新たなスキーム
  4. ラップアップ
    日本銀行決済機構局長 木村 武
  5. 懇談

場所

日本銀行本店


ブログラム冒頭の、日本銀行副総裁 雨宮正佳氏の挨拶の中でCBDCについて触れていますので、今回はそちらをご紹介したいと思います。

議論の概要は、後日、日本銀行のウェブサイト上で公表される予定となっているので、公表され次第取り上げてみたいとは思っています。

日本銀行本店 一般見学もできますが、当面の間はコロナウイルスの影響で中止となっています。

CBDCの類型3つ

雨宮副総裁は、海外におけるCBDCの発行が検討されている事例を下記の3つに類型し、それぞれ解説をしています。

  1. スウェーデンの事例
    スウェーデンでは、現金流通高のGDP比が2%を割り込むまで低下していることが、CBDCの発行を検討する背景になっています。同国では、キャッシュレス化が大幅に浸透した結果、現金を受け入れる小売店が減少し、銀行口座を持たない人々が街での買い物に困難を来すほどになっています。こうした状況下で、国民があまねく中銀マネーへアクセスできるようにすることが一つの狙いとなっています。
  2. カンボジアやバハマなどの発展途上国の事例
    これらの国では、自国通貨や決済を巡るインフラが未整備である一方で、スマートフォンの普及率は極めて高いといった状況にあります。そうしたもとで、いわば一から決済制度を設計し直すことが課題であるために、最新のデジタル技術を全面的に採用することが可能となったケースです。
  3. 中国の事例
    まだ詳細な設計が明らかになっていませんが、これまで公表された内容によりますと、中国人民銀行によるCBDCは、流通現金の代替を明確な目的としています。その際、現金の発行・流通に伴うコストの削減だけでなく、偽造リスクへの対応、マネーロンダリングやテロ資金供与の防止といった、不正防止の観点に大きな重点が置かれています。

上記にように3つに分類し、雨宮副総裁は、「日本を含む、多くの欧米先進国の状況を見ると、これらのケースと同じような形でCBDC発行の必要性が高まっているわけではありません」という考えを示しました。

その理由として、

  • 多くの国では(日本含む)、現金残高は毎年プラスの伸びを維持しており、現時点では、国民の中銀マネーへのアクセス確保のために、新しい措置を講じなければならない状況ではない。
  • 発展途上国とは異なり、既存の通貨・決済システムが安定的に稼働している以上、一足飛びに新技術に移行するというわけにはいきませんし、すべきでもない。

と、しています。

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出典:日本経済新聞 日銀の雨宮正佳副総裁

CBDCの論点

さらに雨宮副総裁は、今回参加されている「決済サービス事業者」の現状を鑑みながら、CBDCの論点も挙げています

  • CBDCがあれば、誰とでも個人間送金が自由に行えるほか、民間マネー間の相互運用性も飛躍的に向上することになる。CBDCが民間マネー間の橋渡しをすることにより、決済の効率性の改善に寄与し得ることを示している。
  • しかし、CBDCの発行は、民間マネー間の橋渡しに寄与する一方で、銀行振込など既存の民間決済サービスをクラウドアウトする可能性がある。
  • さらに、もし、CBDCの決済コストが民間に比べて大幅に低ければ、殆どの店舗は民間マネーによる決済ではなく、CBDCによる決済を選好することが予想される。
  • よって、CBDCのコアインフラの設計次第では、官の民業圧迫を引き起こし、民間のイノベーションを阻害する可能性も考えられる。

などを具体例として挙げています。

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雨宮副総裁は、CBDCが民間マネー間の橋渡しをする役目になるとも発言していますが、なかなか一筋縄ではいかないかもしれません。

まとめ

雨宮副総裁が挨拶の最後で、以下のように締めくくっています。

ただいま私が述べた論点は、リテール決済サービスの一例に過ぎませんし、ホールセール決済やクロスボーダー決済においても様々な事例や課題が考えられると思います。

日本銀行では、決済機構局内にCBDCに関する研究チームを発足させ、国内の識者や関係諸機関、海外中銀との意見交換等を通じて、今後も様々な論点について研究を深めていく方針です。

引用元:日本銀行 公表資料・広報活動
中銀デジタル通貨と決済システムの将来像(2020/02/27)

日本政府は2025年までにキャッシュレス決済比率40%という目標を掲げています。

それに伴い、キャッシュレス業者やフィンテック企業がしのぎを削っている状況です。

日本銀行としても、そういった企業に「今までありがとう、あとはCBDCで全部やりますんで」とは、いきませんよね~。

挨拶の中で述べているように、「電子マネー」や「なんちゃらペイ」の“橋渡し”としての意味はあるかと思いますが、いずれ決済業者間でもスムーズにやりとりができるプラットフォームが作られる可能性もあると思います。

悩ましいですね~。

いわゆる、「現金」「民間マネー」「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」がごちゃまぜ状態です。

非常にわかりづらい。

この“ごちゃまぜ状態”の行く先には、どういった世界をあるのでしょう?

それって、“お金がない世界”だったり“物々交換の世界”だったりするかもしれませんね!

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