皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
本日は、スウェーデンの「eクローナ」の試験運用開始へ~中国より1歩リードか~、という話題を取り上げてみたいと思います。
現金が消えた国、スウェーデン
「現金が消えた国」とも称されるスウェーデンは、国際決済銀行のデータを日本銀行が分析した資料によると、2015年時点でスウェーデンに流通する現金はGDP(国内総生産)の1.7%。
残りの98.3%は現金以外での支払いがおこなわれていることになります。
キャッシュレス化がなかなか進まない日本の約11倍となっています。
このキャシュレス比率の高さの一翼を担っているのが、スマートフォン用の決済アプリケーションの「スウィッシュ(Swish)」とも言われています。
スウィッシュとは
スウィッシュとは、スウェーデンの主要銀行11行で共同開発されたスマホ用の決済アプリで、電話番号とBank IDと呼ばれる番号を紐づけることによって、相手の電話番号を指定することで、自身の銀行口座から支払い、相手口座への送金などを行えます。
なんと、スウェーデンの路上で雑誌を売っているホームレスですら、Swishによる支払いを受け付けているそうです。
そんなスウェーデンでは、公共交通機関では現金は利用できないほか、現金を扱わない金融機関も増えており、2010年から12年にかけて約900台のATMが撤去された経緯があります。
「ノーキャッシュ(現金お断り)」のお店も増えてきているとのこと。
さらに最近では、手に埋め込んだマイクロチップで支払いをするシステムも開発され、専用の端末に手をかざすだけで個人を識別、決済が可能になるもので、すでに鉄道運賃の支払いなどに利用されているそうです。
スウェーデン進んでるな~。
マイクロチップを手に埋め込むのは、ちょっと怖い気もしますが、私の昨年亡くなった父も、胸にペースメーカーを埋め込んでいたので、それを考えれば、大したことないのかも、と納得。
リスクバンクが、アクセンチュアと共同で試験運用開始
そんなキャッシュレス超先進国のスウェーデンでは、2020年2月20日、スウェーデン国立銀行(リスクバンク)が、コンサルティング会社のアクセンチュアと共同で、中央銀行デジタル通貨(CBDC)「e-クローナ)の試験運用を開始すると、発表されました。
簡単にこのプロジェクトをまとめると、
- 専用のモバイルアプリの使用
- e-クローナをデジタルウォレットに保管し、支払いや入出金が可能
- スマートウォッチやカードでも支払いが可能
- 2021年2月まで試験運用を行う
としています。
まとめ
既報(日欧中銀など、中央銀行デジタル通貨(CBDC)発行へ共同研究~米連邦準備理事会(FRB)は不参加~)でもお伝えしていますが、日銀や欧州中央銀行(ECB)など6つの中央銀行で組織するCBDCの共同研究グループに、スウェーデン国立銀行(リスクバンク)も参加しています。
現在は参加していない米連邦準備理事会(FRB)も、日本政府が連携を呼びかけるようですし、いずれ協力体制を敷くのではないかと筆者は考えています。
先ずは、リスクバンクがこのグループの中で先陣を切って、試験運用し、このグループでも情報を共有し、ブラッシュアップされていくのではないでしょうか。
試験運用の開始、という意味では中国のデジタル人民元に1歩先に行くことになりそうです。
各国のCBDCの発行に関する話題や、フェイスブックのリブラに関しては、目が離せませんね。
今後とも注目して参ります。
追伸
スウェーデンの至宝、ズラタン様もスウィッシュ使ってるのかな~。
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投稿者プロフィール
- JCCA 編集部は、協会主催の様々なイベントや講座、暗号通貨システムやブロックチェーン技術に関する時事ニュースなどを含め、例え話を用い初心者の方にもわかりやすく解説してまいります。/暗号通貨の『普及活動』、それが子供達の笑顔を創造する。
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