「山下さん、ビットコインって知っていますか?」
2012年10月、私が初めてビットコインという単語を聞いた日でした。そんな話を冒頭でお伝えする暗号通貨技能検定(初級編)も受講者数がもうすぐ1,000名に達する事となり、心から嬉しく感じます。
「インターネット上のお金の様です。」
あれからもう、6年近く経つのですね。月日の流れはあっという間です。
信用を成立させる新しいシステムの登場
当初、インターネットは大学で研究が進み、主に軍事用での情報共有を主としたシステムとして活用されていました。
そのインターネットも、2000年代から家庭用パソコンの性能向上と共に、WWW(ワールドワイドウェブ)も急速に普及していきました。
インターネットは、様々な情報を瞬時に自分自身の目の前に表すことができるだけでなく、様々なことを効率化できるツールでもあります。
また、コミュニケーションのあり方も根こそぎ変えてしまいました。
「対人」ではなく「対面」とでも言いましょうか、リアルに場の空気感を感じながら語り合う機会は減少していき、SNSを通したコミュニケーションがベーシックであるという方も多くなったのではないかと思います。
これについては、今もなお賛否両論ありますが、私個人としては「対面で出逢い語った」という状況があってこそ、SNS上でのコミュニケーションは更に生きてくるのではないかと考えています。何故なら、SNSで出逢い、オフ会などで初めて顔を合わせた時こそ、最も相手に対する気持ちが高揚するからです。その瞬間、相手に対する「信用」というキーワードも各々の中で大きくなるのではないかと考えます。
この「信用」をインターネット上で仲介者なしに成立させてしまうシステムの根幹がブロックチェーンです。
ビットコイン、「知っていますよ」と「聞いたことがありますよ」の違い
昨年は『仮想通貨・ビットコイン』などの単語が、新聞雑誌を賑わせていましたが、今年に入り『ブロックチェーン』という単語が、この日本でも少しずつですが認知されているようにも感じます。
しかしながら、私の周りには会員である皆さんがそうであるように、仮想通貨の「本質」を学んだ方々がおられます。また、協会関係者もそうですし、コインを制作できるエンジニアや、ハウインターナショナルの正田さん、暗号通貨技能検定(上級編)で登壇いただく江島さんなど、仮想通貨のエキスパートが身近に居るために「認知度が増している」と感じているかもしれません。
そして、それはやはり現実であり、ビットコインの事を知っているかどうかを飲食店のスタッフさんや初対面の方々に聞いてみると、ほとんどの人は知っていると答えますので、ネーミングの認知度は向上していますが、よく聞いてみると「危ない、怪しい、そんな物」という、未来に輝きあふれる回答は返ってきません。
よって、「ビットコイン知ってるよ」というのは「ビットコイン聞いたことがある」という事であり「ビットコインよく分からない」という翻訳結果になります。
この状況が、まだまだ日本国内においても見受けられますし「ビットやってる」という言葉をも聞くと「初級講座で仮想通貨の本質を伝えたい人が、まだまだ居るな!」っと強く感じます。
インターネットが目指したはずの理想
その様な中、インターネットは、今でこそ笑い話になる様な解釈や捉え方が昔は多かったかもしれませんが、現代社会の中では無くてはならないシステムになり、人はインターネットと関わらない生活などありえない状況になってきています。
そんなインターネットも、本来成し遂げたかったけれど成し遂げることができていない事(状況)があります。これは、インターネットその物の在り方が理想で終わっているという事です。
「情報の共有化が行われていない」という事です。
インターネットが普及するとともに、世界の貧富の差は広がるばかりのように感じます。それは、元々富を得ていたものがさらに富を得、その富を大多数の人々が生み出し、生み出した本人たちへの富の分配は、正当な報酬として支払われていないという状況です。
これは、インターネットによる情報の格差が原因です。そしてそこに、貧富の差の原因が見え隠れしているのです。
一部の人々は、正しい情報をいち早く得ることができ、それを活用して富を倍増させる為の仕掛けを作ります。もちろん、それが悪いと言っているわけではありません。言いたいことは、インターネットが本来理想としていた「地球上の人々に対する平等かつ公平な情報共有」が出来ていないという事です。
ビットコインの誕生と仮想通貨が創る未来
その様な中、2008年10月末日、とある論文が公開され、その論文は瞬く間に世界中の人々を魅了していきました。
「ビットコインが産まれブロックチェーンが育ちインターネットが進化する」時代が始まったのです。
ブロックチェーンが育つことにより、インターネットが本来掲げていた真の情報共有という理想が具現化されようとしています。
そして、それは貧富の格差を小さくし、個人が個人として活躍できる世界を創り、その個人と個人が繋がり信頼あふれる、いや、信頼という言葉が廃語になるかもしれない時代を創造しようとしています。私はそう感じています。
仮想通貨を学べば学ぶほど、その未来にワクワクします。そして、私たちは子々孫々へ素晴らしいシステムと笑顔あふれる時代のバトンを、しっかりと渡すことができます。
まだまだ、仮想通貨の本質を知る人は少なく、結果、ブロックチェーンが創り出す未来を想像することも出来ません。
「想像して創造する」ため、本質を知ることは大事なのです。
これからも、今まで以上に皆さんと共に仮想通貨の本質を伝え、そして皆さんと共に子供たちの愛溢れる笑顔を育んでいきたいと感じます。
それでは、今後とも協会を、各支部メンバーを、会員の皆さんを、そして、仮想通貨の本質を知らない皆さんを、よろしくお願いいたします。
2018年7月11日
一般社団法人 日本クリプトコイン協会
代表理事 山下 健一
投稿者プロフィール
- JCCA 編集部は、協会主催の様々なイベントや講座、暗号通貨システムやブロックチェーン技術に関する時事ニュースなどを含め、例え話を用い初心者の方にもわかりやすく解説してまいります。/暗号通貨の『普及活動』、それが子供達の笑顔を創造する。
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