SDGsブロックチェーン小論文40

・誰もが平等で質の高い教育を受ける環境と貧困撲滅の実現|筆者:飯塚 邦秀

ブロックチェーン技術はSDGsの17の目標と親和性が高いと言われているが、SDGsとブロックチェーン技術が融合した2030年の世界では、「誰もが平等で質の高い教育を受ける環境を構築することにより貧困撲滅が実現できる」、というのは本当だろうか。

確かに、現状においては先進国で質の高い教育が受けられ、後進国では質の高い教育を受けられない等、平等な教育を受ける環境が整っているとはいえない。

そもそも、質の高い教育を受けることができない理由として、貧困があると考えられる。

貧困の国では、その日を無事に過ごすために、子供でさえも水汲み等の仕事をしており、教育を受ける環境にない。また、教育の重要性も考えられていない。

その結果、例えば、日本やアメリカのように識字率が高い国と、南スーダンやアフガニスタンのような識字率が低い国に分かれてしまっている。

しかし、私はブロックチェーン技術を利用することにより、誰もが平等で質の高い教育を受けることが可能になり、その結果貧困を撲滅できると考える。

なぜなら、ブロックチェーン技術には様々な技術が使用されており、その技術のいくつかを利用することで現状の平等な教育を受けることができない環境を変えることができると考えるからである。

まず、貧困をなくすことを考える際に、最初に思いつくものとしては資金を援助する方法が挙げられる。貧困国の人々にお金を送ることができれば、貧困の解決につながるかもしれないというのはもっともである。

ただ資金援助を考えた際に、どのように貧困国の人にお金を送るかということが重要である。

貧困国の人々の中には銀行口座を開設することが難しい人もいるため、銀行口座を利用してお金を送金することができず、現状支援金等を送る場合は、何らかの仲介者を通して送金する必要がある。

この場合、仲介者がきちんと貧困の人々にそのお金を渡したかを確認することは難しい。しかし、ブロックチェーン技術により銀行口座をもたない人々にも直接資金援助をすることが可能となった。

ブロックチェーン技術を利用すれば、仲介者を通さず直接貧困の人に資金援助することができるため、今までよりも早くかつ安全にそして確実に支援をすることが可能である。ただ、貧困の人々に資金援助をするだけでは、貧困から脱出することはできない。

なぜなら、貧困国の人々は援助してもらった資金をどのように使うべきかを理解することが難しく、生活するための資金として使用してしまい、その資金が底をついてしまえばまた貧困になってしまう。

貧困から脱出するためには、お金とは何かということを含めた教育が重要である。そのためにも、教育を受ける場を増やし教育を充実させることが貧困から脱出するために必要である。

教育の充実については、ブロックチェーン技術を利用することにより実現することが可能となる。例えば、ブロックチェーン技術の一つに P2Pネットワークという技術がある。

P2Pネットワークとは、そのネットワーク上の参加者には上下関係がなく、また、仲介者や管理者もいないため、参加者同士が直接やりとりをできるネットワークである。

P2Pネットワークの対義語として、クライアント・サーバー方式というものがあり、一つのサーバー(管理者)に対して複数のクライアント(参加者)がいて、クライアントはサーバーにリクエストを出しサーバーがそれに答える方式である。

これを教育に例えるならば、一人の先生と複数の生徒という関係であり、先生が複数の生徒に教えている状況と同じである。

貧困国においては、先生の数が少なく、また先生が生徒に教える場が少ない。一人の先生が教えられる生徒の数にも限りがあるため、いわゆるクライアント・サーバー方式では限界がある。

一方、P2Pネットワークは前述のとおり、参加者同士に上下関係がなく仲介者や管理者もいないため、言ってしまえば、誰もが先生であり生徒でもあるという状況である。つまり、教えることができる人が教わりたい人に教えるという状況を生み出すため、今までよりも教育を受ける環境を多く作ることが可能である。

さて、その場合、間違ったことを教えてしまう可能性があるのではないか、ということを懸念する人がいるかもしれない。そこで登場するのが、ブロックチェーン技術の一つであるプルーフオブワークの考え方である。

プルーフオブワークとは、自身の仕事の証明を他の全員へ伝えて認めてもらうことである。つまり、ある生徒が別の生徒に教えた内容を、その他の生徒たちが共有し間違っていないかを確認することである。

これにより、皆で確認するため、生徒同士で間違った内容を教え合うことを防ぐことが可能となる。そして、タイムスタンプと分散型台帳技術が重要となる。

タイムスタンプは、いつ、何をしたかを皆で認め合い保障するものである。

一般的な、一人の先生と複数の生徒という関係の教育であれば、先生がいつ教育をしたかを管理することが簡単であるが、皆が先生であり、かつ生徒という状況の場合、必要な教育をきちんと受けたかどうかを確認することが困難となるため、タイムスタンプという技術を利用することにより皆で認め合い保障することで管理が可能となる。

次に、分散型台帳技術とは、同じ情報を皆で共有し管理する仕組みのことである。

例えば、一人の人が台帳を管理している場合を考えてみる。悪意を持った人がいて、教育を受けていない人の台帳に教育を受けたと記載した場合、本来教育を受けていない人が教育を受けたことになってしまい、平等な教育を受けることを妨げる可能性がある。また、本当に教育を受けていたのか受けていないのかを確認することも難しくなってしまう。

これに対し分散型台帳技術を利用すれば、皆で同じ情報を共有し管理しているため、悪意を持った人が台帳の改ざんをしたとしても、皆で確認し合うことができるため、実質台帳を改ざんすることができない状況を作り出すことができる。

その他にも、万が一、一人の人が台帳をなくしてしまったとしても、他の皆が管理しているため台帳紛失に対するリスクについても万全である。

したがって、ブロックチェーン技術の中の、P2Pネットワーク、プルーフオブワーク、タイムスタンプ、分散型台帳技術を利用することにより、誰もが平等で質の高い教育を受ける環境の構築を実現することができる。

平等で質の高い教育を受ける環境ができることで、貧困から抜け出すことができ、世界から貧困をなくすことが可能となるが、平等で質の高い教育を受けるためには、資金援助も欠かせない。

そしてまた、資金援助についてもブロックチェーン技術を利用することにより、前述の通り今までよりも早く安全で確実に資金援助をすることができる。

ブロックチェーン技術による資金援助は間違いなく必要ではあるが、それだけでも貧困から脱出することはできず、その先にブロックチェーン技術による誰もが平等で質の高い教育を受ける環境を整えることにより、貧困から抜け出すことが可能となり、貧困撲滅を実現することができる。

筆者:飯塚 邦秀

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