ビットコイン・ライトニング・ネットワーク、ビザより優れる

ビットコインのライトニング・ネットワークは、従来の決済プロバイダーと競合するために開発されました。

速くて低コストな取引が可能で、ビザやマスターカードに取って代わる可能性があるのでしょうか？

今回も深く切り込んでいます。

この記事で学べる３つのこと

ライトニングネットワークとは
ライトニングネットワークと既存決済システムの違い
ライトニングネットワークの可能性

もし、暗号通貨やブロックチェーンに興味関心がある方であれば、この記事は、それらの本質を捉え実生活やビジネスにも落とし込める可能性があることに気づけるでしょう。

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それでは、本文へとお進みください。

2008年にサトシ・ナカモトによって考案されたビットコインは、ビザやマスターカードなどの伝統的な決済プロバイダーを迂回するP2P決済システムでした。

しかし、これらの仲介業者と競合するにはまだ遅く、高額な手数料がかかります。

一方、レイヤー2のライトニング・ネットワークは、私たちユーザーにとって「速くて安価な取引」を提供する適切な妥協点となる可能性があります。

このビットコインのサブネットワークは、今後数年でビザを置き換えることができるでしょうか？

答えはこの記事の中にあります。

ビットコインのライトニング・ネットワークとは何か？ビザにとって脅威なのか？

ライトニング・ネットワークは、ビットコインのコアネットワークに依存するオンチェーンプロトコルであり、ユーザーに高速で安価な取引を提供します。

また、BTCマイナーによる高額な手数料と遅いブロック検証の問題をも、効果的に解決するのです。

オニオンルーティングと呼ばれる技術を使用し、プロトコルはデータを複数のパケットに分割。エンドツーエンドの暗号化を使用してネットワーク内の異なるノードを通じて送信します。

この技術は、2015年にタデウス・ドリジャとジョセフ・プーンによって初めて紹介され、その後ますます人気を博していますが、ビットコインと同等の普及や人気を集めることはありませんでした。

具体的には、ライトニング・ネットワークは、2人以上の当事者間で複数の支払いチャネルを通じて、メインチェーンから離れたマイクロトランザクション（数ドル相当）を行うことができます。

したがって、これは大量の暗号通貨を送金するためのネットワークではなく、日常生活でのマイクロペイメントに使用される決済システムです。

このレイヤー2の目標は、ビットコインのネットワークのスケーラビリティを向上させ、ユーザーに低い手数料と比類のない実行速度を提供することです。

最初にビットコインコミュニティに提出された文書では、ドリジャとプーンはプロトコルの動作方法を説明するだけでなく、2013年にビザが達成したピークTPS（1秒あたりの取引数）を超えることを明確にしたいという願望を表明しました。

ビットコイン・ライトニング・ネットワーク対ビザの概念

ライトニング・ネットワークは、分散型P2Pネットワークの効率向上により、今後数年で伝統的な決済プロバイダーは大幅なベースユーザーを失う可能性がある為、脅威として考えられています。

ただし、ビットコインのレイヤー2の支持者が直面している課題はまだ多くあります。

まず最初に、セキュリテリティの概念があります：ライトニング・ネットワークは、より安全で信頼性があり、シビル攻撃やDDoS攻撃を無効化できる能力が必要です。

実際、悪意のあるユーザーによってライトニング・ネットワークのノードが狙われると、オフチェーン取引ネットワークの持続可能性が危機にさらされる可能性があります。

次に、ユーザーエクスペリエンスをあらゆる点で改善し、経験の浅い個人でも簡単に利用できるようにする必要があります。

もしビットコインのライトニング・ネットワークがこれらの課題に成功すれば、今後数年でビザやマスターカードなどの主要なデジタル決済プロバイダーの足かせとなる可能性が高まります。

元 Twitter の CEO であるジャック・ドーシーも、ライトニング・ネットワークのアイデアを支持しています。

彼は2018年に、有名なソーシャルネットワークでチップ支払いシステムとしてライトニング・ネットワークを実験しました。

これらの課題が克服され、ライトニング・ネットワークが成功すれば、従来の決済プロバイダーと競合し、暗号通貨の普及と一般的な取引手段としての地位を確立する可能性があります。

ただし、規制や市場の受け入れ度、技術の進歩など、さまざまな要因が今後の展開に影響を与えるでしょう。

ビットコインのライトニング・ネットワークのコストは、ビザとマスターカードのそれと比較できるのか？

ライトニング・ネットワークは、主にビットコインネットワークのコスト問題を解決するために導入されました。

数ドル単位の送金で、ほぼ同額の手数料を支払わなければならないと考えると、狂気と言えます。

これは、近年、ビットコインが大衆受けする上で障壁となる大きな問題の1つでした。

では、ライトニングチャネルで取引を行う際のコストはどのくらいなのでしょうか？

簡単に言えば、このネットワークを利用する際の手数料には次の2種類あります。

最初はベース手数料で、各運営ノードが恣意的に課すものです。通常、セントのごく一部（むしろサトシ単位）です。これは、ノードのトラフィックを促進するためです。
もう1つは、ノード内で使用される流動性に基づく手数料です。この場合、チャネルの所有者は、送信されたサトシの合計に対する割合として手数料を設定することができます（例：送信されたサトシごとに0.01サトシ）。

ライトニングチャネルを利用するための合計手数料がゼロである特別なケースや、手数料が過剰に高いケースもあります。

ビットコイン対ビザの手数料比較

現在、ベース手数料が無視できるほど小さいことを考慮すると、ライトニングネットワーク上で取引されるBTCごとに2500サトシ（約0.077ドル相当）が支払われます。

これらのコストをビザなどの主要な決済サービスプロバイダーのコストと比較すると、後者の方が非常に高額であることがわかります。

クレジットカード会社は、加盟店の種類、取引額、取引が行われる場所に基づいてさまざまな手数料を請求します。

一般的にビザは、1.15% + $0.05 から 2.40% + $0.10 の範囲のインターチェンジ手数料を請求します。また、評価手数料として0.14%も請求します。

一方、マスターカードは、1.15% + $0.05 から 2.50% + $0.10 の範囲のインターチェンジ手数料を請求します。

さらに、1,000ドル未満の取引では0.1375％、1,000ドル以上の取引では0.01％の評価手数料が適用されます。

これらの手数料とビットコインのライトニング・ネットワークのコストを比較すると、ライトニング・ネットワークが非常に低コストで取引を行えることが明らかになります。

そのため、ライトニング・ネットワークが普及すれば、従来の決済プロバイダーに対する競争力が向上する可能性があります。

ただし、依然として使い勝手や普及に関する課題が残っており、すぐにこれらの企業に大きな影響が出るとは限りません。

ライトニング・ネットワークに関する興味深いオンチェーンデータ

現在、まだ開発中の技術によって従来の決済プロバイダーが脅威にさらされるとは考えにくいですが、ビットコインの開発者たちは、この挑戦を真剣に受け止め、年々ネットワークの容量とシンプルさを向上させ、最終目標に近づいています。

実際、これらの企業と競合するためには、安価な支払いチャネルを持つだけでは十分ではありません。

これらの企業は、現在、日常生活のあらゆる分野に根を張っています。

先述のように、この挑戦はネットワーク容量という要素だけでなく、複数の要因に関連しています。

主流になるためには、ライトニング・ネットワークは現在のレベルをはるかに超える容量を持つ必要があります。

現在、ネットワークは最大で4,828 BTC（約1億4800万ドル相当）の取引に対応できます。

これは、従来のプロバイダーを通じて移動される巨額の資金に比べてまだ無視できる額です。

しかし、ライトニング・ネットワークの容量の価値が時間とともにますます増加していることから、この道が正しい道であることが示唆されます。

今後、ライトニング・ネットワークの技術がさらに進化し、容量や使い勝手が向上すれば、従来の決済プロバイダーとの競争力を高めることができるでしょう。

ソース：https://en.cryptonomist.ch/2023/04/14/bitcoin-lightning-network-better-visa/

まとめ

ビットコインのライトニング・ネットワークは、スケーラビリティ問題を解決することを目的としたレイヤー2の支払いプロトコルです。

このネットワークは、取引をオンチェーンからオフチェーンに移動することで、即時性と低コストの取引を実現しています。

これにより、ビットコインの取引速度と処理能力が向上し、マイクロペイメントや小額取引にも対応できるようになります。

ライトニング・ネットワークは、ビザにとって脅威となる可能性があります。

なぜなら、ライトニング・ネットワークを介したビットコインの取引は、速度や手数料の面でビザや他の伝統的な決済手段に匹敵する、またはそれらを上回る性能を発揮する可能性があるからです。

さらに、分散型であるため、セキュリティ面でも優れているとされています。

ただし、ライトニング・ネットワークが本当にビザを脅かす存在となるかどうかは、普及度や実用性、規制などの要因に左右されるため、確実には言えません。

今後の技術進歩や市場状況によっては、両者が競合しながらも共存する可能性もあります。

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投稿者プロフィール

山下健一代表理事

暗号通貨の思想とブロックチェーンの概念は、金融システムをより安全に低コストで運用できるだけでなく、銀行口座を持たない20億人の生活環境を底上げします。また、寄附や募金へ広く活用されることは、SDGｓの達成にも貢献する事でしょう。一人でも多くの方と共に、正しい暗号通貨システムの可能性を学び、実生活や仕事にも取り入れて頂けるよう、当協会はこれからも「暗号通貨技能検定講座」の開催を重ねて参ります。

【資格・受賞歴】
・日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー
・東久邇宮記念賞受賞
・東久邇宮文化褒賞受賞
・特許：特開2016-081134号
・特願：2018-028585