多くの方は新しい財やサービスが誕生した際に注目を集めるかもしれません。それ自体に良し悪しはありません。
ブロックチェーン技術含め新しい技術やサービスは、それにより世界にどう役立ったのかという点が最も重要だからです。
そのような中、導入期または成長一期ともいわれるブロックチェーン産業において、その財やサービスの性能や貢献度に対し客観的な判断を行うことは容易ではありません。
それは先進国に言われるようなモノがあふれる時代になった事や、インターネットの誕生により見せ方や表現の仕方が飛躍的に向上したからとも言えると考えています。
これらを見極めるにも本質は非常に重要な要素を持つのですが、それでもブロックチェーン技術に携わる人々を中心とした世界に留まるような気もします。
では私を含む一般社会で生活する大半の方々はブロックチェーン技術のどこに着目する必要があるのか。
その一つは既存概念の変化にあると私は考えています。
それは「所有から共有」への変化です。
競争社会と言われる昨今、個人も企業もいかに他者に勝るかという点に重きが置かれてきたということは否めないと考えます。
もちろん、個人的経験からも競争は成長を生むことは事実であり必要な要素の一つであると考えます。
しかし、ブロックチェーン技術の誕生を象徴するビットコインの誕生に世界の金融関係者やエンジニアがインパクトを受けた仕組みの一つは、「所有から共有」へのシフトチェンジです。
これまで金融機関が顧客情報・取引情報を所有し、独自の力を強固にすることが金融業界の安全と安心を守ってきたことが、多数のコンピュータで分散管理することによって効率的かつ安全安心な記録保全を可能としました。
これを企業活動に当てはめてみるとどうなるでしょう。
中央に存在する企業や経営者が力をつけることを重要視する見方は確かに存在し、責任者としての立場から鑑みてもこの先も必要な考えの一つであると思います。
しかし、これから進むデジタル社会が必要とするブロックチェーン技術から習うと、所有への重視は加重な負荷や不正改ざんのリスクとなり得ることを示唆しており、その問題解決として共有という考えが用いられています。
私には効率・能率を高め関係者全体に潤いを与える組織ができるのではないか、そんな風にも感じられます。
また、所有と共有のどちらが優れているかという視点ではなく、責任者の過度な負担の軽減や組織活動を充実させるために生じた課題対策の一つとして捉えることが適正と思われます。
よく真っ先にブロックチェーンに当てはめて考える方もいらっしゃいますが、先に課題に着目し、その解決策としてアプローチすることが適切だと私は考えます。
組織を形成しているのは人だからです。
人々の熱気と明日への活力、これはコロナを通してより一層重要視されたのではないでしょうか。
人々が活気に満ちあふれ、本質の学びという根拠を土台にした発展社会。
その両立を兼ねた組織の一助となりたい、これを個人的指針として今後も動いていきたいと私は思います。