仮想通貨でお金を借りるレンディングサービスが急拡大

今回のコラムでは、「暗号通貨の貸金業ビジネスが盛んになってきた」という内容をお届けします。

目次

レンディングサービスとは

仮想通貨のレンディングサービス(貸金業ビジネス)が盛んです。

レンディングサービスとは、皆さんが保有している仮想通貨を取引所などを通じて他者へ貸し出すサービスです。

仮想通貨で利益を得る方法として最もメジャーなのは値上がり益です。保有している仮想通貨が、購入時よりも値上がりした際に売却する事で得られる差益です。

そんな中、仮想通貨取引に伴う利益は雑所得となり総合課税扱いされるため、利益の額が多ければ多いほど、支払う税金の額は多くなります。

株取引やFXの利益は分離課税ですから、利益に対する捉え方が大きく変わってきます。そこで、サービスとして注目されるようになったのがレンディングサービスでした。

仮想通貨の利益が確定されタイミングは、法定通貨に交換した時であり、他者に貸し出すという行為は法定通貨に交換しているわけではない為、レンディングに伴う税金は分離課税となり、総合課税の対象外となります。

レンディングサービスの先駆けとなった「Blockfi」

レンディングサービスの先駆けとなったのは、2017年8月にニューヨークを拠点とし設立された『Blockfi』が非常に有名です。

執筆時点で取り扱っている仮想通貨は13種類あり、この業界では最も多い部類に入ります。

Bitcoin (4.5%)

Ethereum (5.0%)

Uniswap (3.25%)

Litecoin (4.75%)

Chainlink (3.5%)

Basic Attention Token (3.25%)

PAX Gold (3.25%)

Tether (9.5%)

Dai (9.0%)

USD Coin (9.0%)

Binance USD (9.0%)

Paxos (9.0%)

Gemini USD (9.0%)

カッコ内はAPY(年換算利率)

サービスはレンディングだけでなく、ローンやトレードサービスなども提供し幅広い展開を見せています。

人気がある理由の一つに、資金のロックが無いことがあげられます。これは、出資者の安心感が増すだけでなく、貸し出す金額も増加する為です。

利子は毎月月初(営業日)に指定のアドレスへ振り込まれるため、面倒な手続きなども一切必要ありませんし、複利運用の設定も可能です。


また、13種類の内であれば、希望する仮想通貨で受け取る事も可能であり、柔軟性が高いサービスであることも、人気がある理由でしょう。

今年に入り、個人や機関投資家の顧客向けローン残高が250億ドル(約2兆7500億円)と、1年前の14億ドルから急増している事からも、レンディングサービスの需要の高まりを感じます。

日本国内の銀行における利率とは

皆さんが銀行でお金を借りる場合、いくつかの理由と方法が考えられます。

住宅を購入したいのでローンを組む。これは、銀行からお金を借りて、住宅販売会社に一括で購入費を支払い、毎月借りたお金を銀行へ返却します。車なども同様です。

私達が銀行からお金を借りる為には、銀行にお金が無ければ借りられません。では、銀行が私達へローンと言う名目で貸し出すお金の財源は、どこにあるのでしょうか?

答えは、私達が銀行に預けている預金です。

私達は銀行に預金し、銀行から年0.02%の金利を得ています。銀行は、私達の預金で私達にローンという商品名を付けてお金を貸し付け、変動金利で最も安いみずほ銀行は、0.375%近い金利を得ています。

私達のお金を、他の私達にまた貸しするだけで、375倍もの金利を得ているのです。ちなみに、変動ではなく固定金利だと、0.94%近くになるため940倍です。(出典:みずほ銀行HP

銀行と言う仲介業者を通すだけで、この様なビジネスが成り立ちます。ちなみに、ノンバンク(貸し付けるお金が、預金からではない業務形態)である消費者金融は、今ではそのほとんどが、銀行に買収されました。しかし、貸し付ける利率は、買収前とはほとんど変わらず、最高で18.0%です。

1~99万円:7.7~18.0%
100~300万円:7.7~15.0%
301~500万円:4.7~7.7%
501~800万円:3.0%から4.7%

いかがでしょうか。

銀行は現在、私達の預金には0.001%しか支払わないにも関わらず、消費者金融という顔を持つことで、最高で18.0%の利息を得ています。

その額、18,000倍。

「あんた、そこに愛はあるんか?」

この言葉が思い出されますが、きっとそこに、愛は無さそうです。しかし、その様な状況に一太刀!仮想通貨業界の革命児である「DeFi(ディーファイもしうはディファイ)」が登場しました。

銀行の手数料が不要になる時代

私たちの多くが銀行口座を作り、銀行と言う仲介業者を経て他の私たちに貸し出されている状況は、少し考えると誰もが気づくと思います。

想像してみましょう。

みなさんとお隣に住んでいる仲良しご近所さん。あなたは、持ち家に住んでいます。早々に引っ越す事もありません。

そんな中、あなたはメインバンクがみずほ銀行であり、預金が2,000万円あります。そして、あなたの隣に住んでいる方の住宅は、親から引き継いだ住宅であり、建て替えが必要な時期であったため、1,000万円かけて建て替える事となり、みずほ銀行でローンを組むことになりました。

あなたは、みずほ銀行に2,000万円の預金があり、年0.02%の金利を得ています。あなたのお隣さんも、みずほ銀行に口座があり1,000万円のローンを組み、年0.94%の利息を支払う事になります。その額、約10万円です。

また、あなたとお隣さんは仲が良いので、頑張って2,000万円を貯めたことや、お隣さんは建て替えが必要になったので、1,000万円のローンを組んだのだと笑顔で互いに話し合います。

しかし、二人は暗号通貨技能検定の初級検定講座を受講していましたので、ある事に気づきました。それは、お金が銀行にあるAさんは、建て替えが必要なBさんに提案したのです。

「私の銀行口座にある預金の内、1,000万円を年利0.02%でお貸ししますよ。」と伝えました。そしてBさんは、「本当にありがとうございます。それでは、年利0.3%お支払いさせていただきます。」と返答しました。

既に、お気づきの方もおられると思いますが、ここに銀行が入ることにより、仲介手数料が徴収されます。

金融業トップに君臨する銀行業の仕組みの一部が手数料ビジネスです。

これは、誰もが業として行えるものではなく、免許が必要です。そして、その免許は誰でも簡単に取れるものではなりませんし、取れたとしても銀行運営の許可など、まず出ないでしょう。

DeFi が金融業界に革命を起こす

先にも触れましたが、その様な状況に「ちょっと待った!」を宣言したのが、仮想通貨業界の革命児である「DeFi」でした。

仲介者が不要で、人に対する信頼も不要。であるにも関わらず、お金と言う暗号通貨の貸し借りが出来てしまうのが「DeFi」です。

銀行のいらない世界が、産声を上げました。

個人的に「DeFi」はノーベル賞ものの発明だと思います。では、何故「DeFi」が誕生したのでしょか?

それは、仮想通貨ビットコインが誕生したからであり、ビットコインシステムの思想が「DeFi」を創り上げました。「DeFi」については、またの機会にお話ししたいと思います。

仮想通貨の仕組みや思想を知ることは、今ある金融業界の仕組みや思想に疑問を抱くことに繋がります。

今後、日本でもますます注目を集める暗号通貨とDeFi。

その本質を「初級検定講座」で学び、今までにない広い視野を手に入れ、暗号通貨の可能性をより深めていただけたら幸いです。

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  • 暗号通貨やブロックチェーンについて、知識の有無にかかわらず興味関心がある。
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投稿者プロフィール

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山下健一代表理事
暗号通貨の思想とブロックチェーンの概念は、金融システムをより安全に低コストで運用できるだけでなく、銀行口座を持たない20億人の生活環境を底上げします。また、寄附や募金へ広く活用されることは、SDGsの達成にも貢献する事でしょう。一人でも多くの方と共に、正しい暗号通貨システムの可能性を学び、実生活や仕事にも取り入れて頂けるよう、当協会はこれからも「暗号通貨技能検定講座」の開催を重ねて参ります。

【資格・受賞歴】
・日本メンタルヘルス協会公認カウンセラー
・東久邇宮記念賞受賞
・東久邇宮文化褒賞受賞
・特許:特開2016-081134号
・特願:2018-028585