皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
本日は、FATF(金融活動作業部会)が、デジタルIDのガイダンス草案を発表、という話題を取り上げてみたいと思います。
FATF(金融活動作業部会)とは
ご存じの方も多いかもしれませんが、復習の意味も込めて、FATFについて簡単に説明させて頂きます。
FATF( Financial Action Task Force on Money Laundering)は、日本語では金融活動作業部会と呼ばれることが多いです。
1989年(平成元年)にフランスのパリで開催されたアルシュ・サミットでの経済宣言を受けて設立されました。
現在の議長は、中国のXiangmin Liu氏。
中央銀行デジタル通貨(CBDC)に積極的な中国の人間が、議長を務めているので、良い方向に向かって欲しいと切に願っています。
主な活動は次の3点です。
- マネーロンダリング対策及びテロ資金対策に関する国際基準(FATF勧告)の策定及び見直し
- FATF参加国(地域)相互間におけるFATF勧告の遵守状況の監視(相互審査)
- FATF非参加国(地域)に対する、マネーロンダリング対策及びテロ資金対策推進のための支援活動
またFATFについては、当協会の「暗号通貨技能検定(上級編)」で調査報告書を解説しているので、協会員なら、なじみ深い人も多いと思います。
今回のガイダンス案の内容
今回のガイダンス全文(Draft guidance on digital id for public consultation)は左記のリンクから確認できますが、英文なので、以下に簡単にまとめてみます。
規制対象
- 仮想通貨交換業者
- カストディ業者
を含むVASP(Virtual Asset Service Provider)となります。
VASPとは、「仮想資産サービス提供業者」のことであり、具体的には取引所等のことを指しています。
草案の内容
- デジタルID分野における政府と規制された事業体の資金洗浄とテロ資金供給の対策に関する勧告
- オンラインプラットフォームにおけるデジタルIDシステムを導入した場合の対応方法
- 顧客管理を行う方法
特に顧客管理については、口座開設時のKYC(Know Your Custome)の確認。いわゆる本人確認手続きです。
KYCの目的は、架空の人物や法人が口座を開設し、マネーロンダリング(資金洗浄)に使われないようにするためです。
仮想通貨取引所だけでなく、最近では銀行でも口座を開設する際に、何かと色々聞かれるようになりました
嘘か誠かわかりませんが、大昔は自分のペットの名前でも口座が作ることができた、と聞いたことがあります。
今では、信じられませんね。
11月29日までパブリックコメントを実施
パブリックコメントとは、公的な機関等が、規則等を制定しようとする際、広く公に、意見・情報・改善案などを求める手続きをいいます。
日本では、「意見公募手続」ともいわれます。
今回は、2019年11月29日まで、FATF.Publicconsultation@fatf-gafi.orgに、 「Comments of [author] on the draft Digital ID Guidance」という件名でメールを送信することでパブリックコメントが可能です。
パブリックコメントを経て、来年2月の会議で修正を行うとのことです。
まとめ
現在FATFは、日本でオンサイト審査をしています。
期間は10月28日~11月15日まで。
審査対象は、
- 銀行などの金融機関
- 資金移動業者
- 仮想通貨交換業者
です。
過去にも何度かFATFによる、審査が行われているのですが、審査期間中の対象業者は、目立った行動をせず、おとなしくしているのが通常だそうです。
FATFから目を付けられたくはないですからね。
なので大きな動きがあるとしたら、審査後になるでしょう。
コインチェックさん、新しい暗号資産(仮想通貨)「ステラ・ルーメン(Stellar Lumens:XLM)」を上場すると発表しましたが、大丈夫かな?
コインチェック創業者の和田晃一良氏も先日“受け身は終わり”、“今後は差別化を図る!”と、発言していましたので、大丈夫でしょう。
期待しています!
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投稿者プロフィール
- JCCA 編集部は、協会主催の様々なイベントや講座、暗号通貨システムやブロックチェーン技術に関する時事ニュースなどを含め、例え話を用い初心者の方にもわかりやすく解説してまいります。/暗号通貨の『普及活動』、それが子供達の笑顔を創造する。
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