この記事では、SDGsの目標達成に必要な技術として注目されている「ブロックチェーン」を取り上げ、どの様な形で17の目標達成に貢献し、問題解決へと導けるのかについてお届けします。
この記事で学べる3つのこと
- SDGs×ブロックチェーンの可能性
- SDGsの目標達成方法
- 医療機関の大きな問題と解決策
もし、SDGs × ブロックチェーンが始めての方は、まずこちらの SDGs × Blockchain × Action 記事を読んで頂けると、この記事の理解がより進みます。
この記事をオススメする方
- SDGs(持続可能な開発目標)に関心がある方
- SDGsの目標達成の方法を知りたい方
- SDGs×ブロックチェーンに興味関心がある方
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一つでも当てはまる方は、本記事をじっくりと読み進めて下さい。
本記事を読み終えた後には、「こういう発想が必要なのか!」や「こんなことが可能だったとは!」と思わず笑みがこぼれる事と思います。
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それでは、『SDGsとブロックチェーン技術が融合した2030年の世界』をイメージしながら読み進めてまいりましょう。
国境を跨いだ医療情報の共有が人々の健康を増進する
私は、ブロックチェーン技術を用いて医療技術情報と個人の既往歴を、国境を跨いで即時共有すれば、SDGsの目標の1つである「すべての人に健康と福祉を」(2)の達成に大きく近付いた2030年の未来が実現できる考える。
医療技術が着実に進歩している現代においても、世界中で救える可能性があったにも関わらず多くの患者が亡くなっている。
その理由として、各医療機関が持つ医療技術情報が不十分であり、患者の既往歴の共有が不完全と言う点が原因として挙げられる。
特に後進国においては、「医療情報の不備」(1)が目立つとされている。大方の患者および患者の家族は、医者を信頼して彼らの元に訪れ、俗世間で専門の医療知識を持つと言われている医者の懸命な言葉に従い、治療処置の内容を選択している。
一方で、医者は十分な情報を収集できずに、処置の判断を行わなければならないケースが多々ある。
彼らが決して手を抜いたとは言い切れないにも関わらず、患者の家族に「藪医者」や「殺人者」と言われ、泣き嘆かれている医者もいる。
そう言う意味で、医者は情報化社会と言われているにも関わらず、あらゆる分野の情報がどこか集約的な現代社会に圧迫された被害者の1人なのだと考える。
この様な事から、世界中に渡って、医療技術情報や個人の既往歴の共有を効率化することは、全世界の人々の健康の質を高めることに繋がる。
これは、他のSDGsの目標でもある「ジェンダー平等を実現しよう」および「人や国の不平等を無くそう」(2)の達成にも一役買うポテンシャルを秘めていると考えている。
また、SDGsの各目標は区別化されているものの、それらの内にある要素は重なりあっておりSDGsに寄与するであろう行動の1つ1つが、連鎖的に各目標に自ずと良い影響を与えると考える。
次に、ブロックチェーン技術の普及により医療技術情報、個人の既往歴を国境を跨いで即時に共有可能にすることを推奨する2つの理由を以降で説明する。
まず1つ目として、昨年からニュースで見ない日はないコロナウイルスのようなパンデミックを起こす可能性を持ったウイルスに対する緊急対応の質を向上させることだ。
2021年7月4日午後7時時点までに、「397万4841人」(3)もの人々がこのウイルスにより亡くなったとの報告があった。
今回のコロナウイルスの一件で身を染みて痛感したが、各国において緊急度の高いウイルスに対する認識の統一ができていなかった。
WHOは。アメリカや欧州の国々の病床がひっ迫していることを認識してから制度対応を開始した。
各国の政府や当組織も含めて、初動に問題が無ければパンデミックを起こすことは無かったと(4)BBCは報じている。
私も同様に各国政府でのウイルスの詳細情報や緊急度の高さの認識統一をいち早く行えていれば、ここまで死者数を増加させることはなかったのではないかと考える。
このようなウイルスの研究結果をいち早く世界中の医療機関に分け隔てなく共有することができれば、死者数の低下および病床の圧迫をさらに緩和することができるだろう。
つまり、ブロックチェーン技術を用いてウイルスの特徴、患者が訴える症状、後遺症、患者に行った処置結果の情報、そして人々の既往歴を世界の医療機関で統一して参照可能にすることは、ウイルスに関する研究の効率と医療対応の質の向上に大きく貢献できるからだ。
そして医療技術情報が未発達である後進国の患者らも適切な応急処置と薬の服用が今より可能になる。
これは「すべての人に健康と福祉を」のみならず「人や国の不平等を無くそう」(2)の目標達成にも寄与することになるのだ。
もし、コロナウイルスで亡くなった「397万4841人」(3)という死者数の幾割かを今回のブロックチェーン技術の活用で減少させることができるならば、経済社会の活性化やコロナウイルスに怯える人々の心の安堵にも繋がるだろう。
次に2つ目の理由を説明する。それは、グローバル化に伴い増加中の外国人移住者に高品質な医療サービスを提供できるということに繋がる。
何故なら、グローバル化が進行している世の中で、昔ほど外国人に対する偏見の壁は日本でも薄くなってきているからだ。
私は、大学時代にアメリカのウィスコンシン州に2年間程住んだ。その結果、小さい頃に抱いていたアメリカ人の変人的なイメージや常に陽気であるといイメージが無くなり、外国人も私と同じ人間であると実感した。
現代において、世界中で異なる血を引いている者たちが互いに啀み合うことは減少しているが、各国の外国人に対応する医療体制はどうであろうか。
実際に私がアメリカに滞在していた時に数日もの間、胸に激痛が走り苦しんだ時期があった。
その時、医療に関する専門用語を使用して、現地の医者と英語でコミュニケーションを取ることは難易度が高く適切な処方を受けられるか心配であった。
レントゲンを撮って異常の発見がされなかったために、医者は要安静という判断であったが、現在でもあの処置が最善であったのかと思う事がある。
実際に海外に移住した方々の中で医療体制に不満、不安を抱くことがあると感じる方は多い様だ。
医者が外国人移住者を担当する際に国境を跨いで患者の既往歴を参照することを可能とし、自動翻訳により各言語に対応した既往歴報告書が容易に作成できるような仕組みを実現が望まれるい。
これにより、医療サービスの質を向上させるだけでなく、各医者が1日に対応することができる患者数を増加させることができる。これは、女性が今だに治療優先度が低い国々でも女性が適切な治療を受けやすい環境を整えやすくできるだろう。
SDGsの「ジェンダー平等を実現しよう」および「人や国の不平等を無くそう」(2)の実現に大きく寄与することが可能であり、移住者の生活の質の向上を促し、よりグローバルな世界、より平等な世界の実現を可能にすると考える。
このようにブロックチェーン技術を用いて医療技術情報と個人の既往歴を国境を跨いで即時共有を行うことで、SDGsの各目標の達成に大きく寄与するだろう。
今回の小論文で主に「すべての人に健康と福祉を」、「ジェンダー平等を実現しよう」および「人や国の不平等を無くそう」(2)の目標達成に直接的な効果があると示唆した。
しかし、冒頭でも述べたように SDGsの各目標らの内なる要素は、互いに重なりあっているため間接的に他の目標にも良い影響が生じることを望むことができる点にある。
ブロックチェーンの共有情報の透明性の担保や、分け隔てなく使用者の参照を可能にする技術は、応用次第で人々の笑顔を育むことを促すと考える。
コンプライアンス、環境保全、差別の無い世界に本格的に重きを置き始めた現代には、ブロックチェーンという技術が鍵になることは明白だ。
ブロックチェーン技術を用いるビットコインが台頭している暗号資産(仮想通貨)は、2020年末から2021年前半に及んだ仮想通貨のバブルにより多くの人が認知した。
しかしながら、仮想通貨という表現には「投資対象である」という根強い印象は今だに残っているように感じる。
私はこれからも、ブロックチェーンの持つ技術的な可能性、開発経緯、応用例をより多くの方々に周知していただくための活動をしたい。そして、それが間接的であってもSDGsの目標達成に寄与することを切に願い、前進し続けたい。
SDGsとブロックチェーン技術が融合した2030年の世界
国境を跨いだ医療情報の共有が人々の健康を増進する
著者:鈴木 翔晴
[脚注]
(1)国際協力機構国際協力総合研修所. “保健医療セクターにおける 「総合的品質管理(TQM)手法」 による組織強化の研究,” 2006, p.36 – 76. (online),
(2)外務省 国際協力局. “持続可能な開発目標 (SDGs)と日本の取組,” 2021, p.1-5. (online)
(3)AFP BB News. “新型コロナウイルス、現在の感染者・死者数(4日午後7時時点) 死者397.4万人に”. 2021-07-04.
(4)BBC News. “Covid: Serious failures in WHO and global response, report finds”. 2021-05-12.
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- JCCA 編集部
- JCCA 編集部は、協会主催の様々なイベントや講座、暗号通貨システムやブロックチェーン技術に関する時事ニュースなどを含め、例え話を用い初心者の方にもわかりやすく解説してまいります。/暗号通貨の『普及活動』、それが子供達の笑顔を創造する。
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