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000朝日地球会議2019ージェンダー格差「世界最小」のアイスランドに学ぶ

AWF2019ジェンダー格差

朝日新聞社主催の「朝日地球会議2019」が10月14日~16日の3日間開催されました。

朝日地球会議2019」は、さまざまな課題を解決するために国連が掲げた「持続可能な開発目標(SDGs)」への道筋を、国内外から招く政治、経済、科学技術分野の有識者やオピニオンリーダー、企業人と話し合う場です。

最終日の16日(水)には、帝国ホテル東京にて、19もの講演やパネル討論が開かれましたので、以下の2つに参加してきました。

今回は『ジェンダー格差「世界最小」のアイスランドに学ぶ』についてお伝えいたします。

ジェンダー格差「世界最小」のアイスランドに学ぶ

<ゲスト>ブリュンヒルドゥル・ヘイダイ・オグ・オゥマルスドッティル
ジェンダー平等をめざす市民団体「アイスランド女性権利協会」の事務局長

<聞き手>三島あずさ
朝日新聞社会部記者

※顔写真は、朝日地球会議2019のWebサイトより

ブリュンヒルドゥル事務局長の講演

アイスランド女性権利協会は、1907年、女性参政権獲得をめざして、ブリエット・バーンヘディンスドッティルにより設立されました。社会のあらゆる分野における女性の権利と平等の実現を使命として活動しており、「全ての人の人権が認められるべきである」という考え方に立ち、あらゆる種類の差別に反対しています。

アイスランドでは、男女同一賃金を義務付ける最初の法案を1961年に可決しています。その後も何回か、より包括的な法案を可決していますが、男女の賃金格差は存在します。

企業内において、男性および女性の賃金の不平等を洗い出すツール『男女同一賃金基準』があります。男女同一賃金基準は、2012年に任意で導入されました。

2018年には、従業員数25名以上の企業に男女同一賃金基準の認定を受けることが義務付けられ、大手企業は今年末までに認定を受け、2020年末までに全ての賃金の不平等を撲滅する予定です。

アイスランドでは、2歳になったら保育所に通い、2歳から5歳児の95%が保育所に通っています。1歳児は、民間の保育所などで、47%保育所に通っています。

アイスランドには、男女平等に3か月の育児休暇が保証されています。一般的には、最初の3カ月は母親、次の3か月は父親、残りの3か月はどちらでも好きなように選択できます。

2000年にこの育児休暇の法律が可決され、翌年には82%の父親が育児休暇を申請しました。その後、90%くらいまで達しましたが、金融危機以降は少し低下し、2017年には77%となりました。

アイスランドの女性は、6 回、ストライキを行っており、最初のストライキが行われた1975年には、90%もの女性が参加しています。

Meto運動は、セクシャルハラスメントについても被害を訴えています。これは、社会全体として女性を変えるのではなく、世界を変えます。何故なら、2018年のストライキに繰り出した、こうした動きが社会を変えるからです。

アイスランドは他の国と比べて平和と言われていますが、まだ女性が暴力の犠牲になっています。きちんと罰せられていないレイプ事件もあります。また、ジェンダー平等は男女に限ったことではありません。LGPTQや人種に基づく差別なども法律が必要なのです。

アイスランドをジェンダー平等へと導いたのは、フェミニスト運動であり、女性運動を支えることが、変化を促します。運動が起きて初めて政治が変わっていくのです。よって、女性が権力を持つことにより、これらは変わります。

ブリュンヒルドゥル事務局長への質問

Q1. アイスランドは、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数ランキングで10年連続1位ですが、1970年代ごろまでは女性議員比率が1割に満たないなど、男女格差は決して小さくなかったといいます。アイスランドはなぜ変われたのでしょうか?

A1. 草の根の運動がカギです。男性も女性もがジェンダー平等について戦っています。アイスランドの隣国が模範例になりました。デンマーク・ノルウェー・フィンランド・スウェーデンは、20世紀の初めからジェンダー平等を達成していました。ジェンダー平等を達成するには、国際協力が必要です。他の国で実証されたアイデアを導入することによる、国際協力がカギとなります。

Q2. なぜ日本がジェンダー平等を達成していないのでしょうか?
A2. 日本は大国であり、重要な民主主義国家です。日本でも法律できましたが、女性の政治家の割合などは一気には増えません。よって、ジェンダー平等には強い意志が必要です。

Q3.ジェンダー平等について、どうしたら政治家がもっと本気になれるのでしょうか?
A3. プレッシャー、圧力かけるしかないですね。アイスランドの政治家が変わったのは、女性がもう我慢できないと抗議し自分の政党を作ったからであり、その結果、男性も気づいたのです。この様に女性活動を行い、女性が政治に参画し初めて変化が訪れます。アイスランドでは変化が短期間に起きました。日本も政治家が実際に有効な変化を起こせば、スピーディに変われると思います。

Q4. ジェンダー平等を達成しようと前進されてきましたが、アイスランドでは男性などには反発なかったのでしょうか?
A4. 最初の頃、30年前には、反発もありました。ただ、ジェンダー平等が男性にも有利になることがわかったのです。アイスランドの男性は、権利として育児休業を3ヶ月取れます。まだ子どもが小さいときには、一緒に過ごしたいのです。また、賃金平等の会社、同一賃金は、男女ともにメリットがあります。男性の賃金が下がるんじゃなくて女性の賃金が上がるのです。働いている女性は、ほとんどが結婚しています。つまり、家庭全体の所得が上がるので、男性も歓迎します。

Q5. アイスランドでは、高校でジェンダー平等を学んでいるそうですね?
A5. アイスランドでは、2007年に、ある女性の高校教師がジェンダーに関する科目を教えたいと考えました。そして、校長先生にフェミニストについて講義をしたいと申し出て、教師組合に行き、コースを作りました。100個ものフェミニストのカリキュラムを作ったのです。フェミニストのカリキュラムは、あっという間に3,4年で高校の半分以上が選択科目となりました。しかし、フェミニストの勉強は、義務づけられているわけでは、ありません。ジェンダー平等に関する科目は、高校生向けの公式な教科書もありません。

先生が新聞の記事コピーなどを教材としてつかっており、統一性がありません。先生が替わるとそのコースがなくなってしまうので、持続性もないかもしれません。私は、プロのルビストなので政府に対してルビ活動しています。ジェンダー平等教育を正式な科目に入れようと政府に言っています。ジェンダー平等科目の教科書も作りたいです。認定を受けられるようなジェンダースタディの教科書も生まれる予定です。

Q6.アイスランドは、決してパラダイスではなく、性暴力やセクハラも多いと聞きます。ジェンダー1位というアイスランドでもあるのは、なぜでしょうか?
A6.性暴力に関して、アイスランドは議論しています。加害者に非があるのだから、被害者が声を出しても大丈夫になったのは、ここ5年間。事件を積極的に精査するようになりました。女性にたいする暴力は、普遍的な世界的な問題です。男女差別があり、女性がしいたげられているということです。

ジェンダー問題の解決に向けて、全ての分野で社会全体として一緒に活動することが必要です。ジェンダー格差自体は、ひとりひとり全員に影響を与えます。
ジェンダー格差がなくなれば、全員のメリットになります。公正な賃金を受けるのは全員の問題なので、全員が活動するべきです。

日本でも以前と比べて素晴らしい変化が起こり、社会を変えつつあります。何千年と続いてきたジェンダー格差を今変えているのです。長く続いてきた歴史に対して、公正な社会にするよう変化をもたらすのは、一夜でできるわけではありません。確実に前進しています。

Q7. 若い世代に向けてメッセージをお願いします。
A7. ジェンダー平等への活動に参加してください。ボランティアでも良いので、ジェンダー平等の団体に参加して欲しいです。ジェンダー平等について若い人の意見を聞かせて欲しいです。

まとめ

アイスランドは、もっと早くからジェンダー格差をなくしてきた隣国を模範とし、女性運動を何回も起こし、政治を変えてきました。

その結果、アイスランドは、世界経済フォーラムのジェンダーギャップ指数ランキングで10年連続1位を獲得しています。

ジェンダー格差ランキング110位の日本では、「ジェンダー平等」教育を取り入れ、もっと女性運動を行うように推進した方が良いです。

まだジェンダー格差のある日本ですが、以前と比べれば前進しています。男性にも女性にもメリットがあるので、全員で活動して欲しいです。

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