例えば、皆さんが撮影した富士山の写真があるとします。その写真には識別子「A」が記録されています。イーサリアムブロックチェーンには皆さんが富士山の写真の所有者であることが、識別子「A」として記録されています。
そして、オープンマーケットのサーバーには、富士山の画像データが保存されており「A」が識別子として記録されています。つまり、サーバーがダウンした場合、画像データがマーケットプレイスや他のマーケットプレイスに表示されることはありません。 実はここに、NFTが「半中央集権である」という不安要素があります。
しかし、この事を考えてしまうと、NFTの取引は不可能になってしまいますので、今回は割愛いたします。大切なのは、物事の本質を理解しておくという事が大事です。
さて、話を戻します。
あなたの富士山の画像をブログなどに掲載すると、いつでも画像データのコピーを第三者のハードディスクに保存することが可能です。もし、コピーやダウンロードができない状態でアップロードしたとしても、スクリーンショットを撮られれば、同様のデータが保存されます。
もちろん、その画像の識別子を見れば、オリジナルなのかコピーなのかの違いは分かりますが、今まではその識別子すらも、書き換え可能でした。
ビットコインが誕生しブロックチェーン技術が登場するまでは、デジタルデータそのものに何億円と言う価値が付く事はありませんでした。 freepik などのサービスであれば、有料会員にしかダウンロードできない写真があり、その写真がダウンロードされれば、写真の所有者には課金が発生しています。
しかしながら、何億円と言うか額にはなりません。 何故なら、先にもお伝えしたように、デジタルデータは幾らでもコピー可能であり、「1点物の価値」という実物の絵画と同等の価値が生み出されることが無いからです。
そこで登場したのが、ERC721規格で運用されているNFTでした。NFTは、デジタルデータの世界に「1点物の価値」を生み出すことに成功しました。そして、それを可能にしたのが、ブロックチェーン技術であり暗号通貨システムの思想です。