この「価値が無くなる地域通貨」、お気づきの方は「Go to Travel」のクーポンを思い出された事と思います。宿泊の初日から最終宿泊日という、短い期限ではありましたが、日本国内で使用できる、期限が決められた地域通貨と言えます。
使用された方はいかがでしたでしょうか。旅行に行きクーポンを上手く使えず、新幹線や飛行場の売店で、買う予定になかったものを買ってしまった方もおられると思います。しかも、現金を追加して購入した。私も漏れずに、その内の一人です。
この様に、地域通貨のメリットは、法定通貨の様に貯める事ができないので、「使い切る」という意識が強く働く事にあります。
また、使い切る事により、法定通貨の様に「貯める」と言う事はできませんが、実は「貯める」という行為を長期間にわたって行うのは人間だけです。動物行動学において動物が餌を隠したり、冬を越すために貯蔵する事もありますが、これは短期間です。
人間は昔、他の動物と同様に冬を越すため、干し芋や乾燥肉などを貯蔵していました。しかし、冬を越す間に食べ切り、春を迎えれば季節の食材を食べる生活に戻ります。
お金とは、物と物を交換する際に不便だと感じた人々が、魚や野菜の様に数日で腐るものではなく、長期的に価値を保存でき便利に使えるものをと考案されました。
そして、ある時期から「お金」という概念が周知され、生活に根付き、無ければならない物となりました。しかし、お金は腐ることが無く、破損しても銀行で交換できるため、世の中に流通してしまったお金は、半永久的に存在し続けます。
自然の摂理に逆らった文化の中で、我々は生きているという事になります。地域通貨にも、デメリットはあります。無駄に消費物を増やしてしまうという事があげられます。