欧州理事会と欧州委員会、当面のステーブルコインの域内使用禁止で合意

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。

本日は、欧州理事会と欧州委員会、当面ステーブルコインの域内使用禁止で合意、という話題を取り上げてみたいと思います。

「ステーブルコイン」に関する理事会と委員会の共同声明

欧州理事会と欧州連合の評議会は、2019年12月5日のプレスリリース(Joint statement by the Council and the Commission on “stablecoins”)で共同声明を採択したと、伝えています。

下記に、重要事項のみ私の方でまとめてみます。

  • 技術革新は、金融セクターに大きな経済的利益をもたらし、消費者の選択肢を広げ、効率を高め、金融機関および経済全般にコスト削減をもたらすことができる。
  • 「ステーブルコイン」は、安くて速い支払い、特に国境を越えた支払いの観点から機会を提供する可能性がある。
  • しかし、同時に「ステーブルコイン」は、消費者保護、プライバシー、課税、サイバーセキュリティと運用の弾力性、マネーロンダリング、テロ資金調達、市場の完全性、ガバナンス、法的確実性に関連する多面的な課題とリスクがある。
  • 「ステーブルコイン」は、欧州連合における既存の金融および通貨秩序ならびに通貨主権を損なうものであってはならない。
  • それゆえ、上記の観点から、理事会と委員会は、法的、規制、監督上の課題とリスクが適切に特定され対処されるまで、欧州連合でグローバルな「ステーブルコイン」の使用を開始してはならない。

また、声明の最後には、下記のように締めくくられています。

  • 欧州の決済システムはすでに大きな進歩を遂げていますが、決済サービスプロバイダーを含む欧州の決済機関もこの点で重要な役割を果たしています。
  • ECB(欧州中央銀行)や他の中央銀行、国家の管轄当局は、支払いシステムの継続的なデジタル変換、特に「ステーブルコイン」の利点やコストについての研究を続けていく。
2014年竣工の欧州中央銀行新本店

まとめ

今回の声明は、間違いなくフェイスブックのリブラを意識して、“けん制”の意味があるのは明らかでしょう。

もっと言うと、“脅威”に感じているかもしれません。

それは、「既存の金融および通貨秩序ならびに通貨主権を損なうものであってはならない」という言葉に集約されているのではないでしょうか。

また、ステーブルコインには、既存の法定通貨と比べ、特に国際送金において、大いなるメリットがあることを認識しています。

ユーロのデジタル化(eユーロ)を、前向きに検討しているという情報もあるようです。

既報(Facebook「リブラ」に異論ない、中央銀行デジタル通貨はこの先5年は発行の必要なし ~米財務長官が発言~)でもお伝えしたように、米国では、風向きが変わりつつあるような中でのこの声明。

リブラ協会にとっては、まだまだ予断は許さない状況が続きそうです。

引き続きウォッチして参りますので、続報をお待ちくださいませ。

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