皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
今週末は3連休ですが、日本列島に大型台風が近づいております。
十分に警戒してください。
また、鈴鹿ではF1グランプリも開催されるので、2014年の悪夢が再び起こらないように、運営側もしっかり対応お願いしたいところです。
さて本日は、安倍首相が6日、地球環境などに関する国際会議に出席し、海洋プラスチックごみの問題解決に向けて、技術革新の重要性を強調した、という話題を取り上げてみたいと思います。
科学技術に関する国際会議での安倍首相の発言
先ずは、以下の動画をご覧ください。
当日の安倍首相は、11分程度全て英語でスピーチしているのですが、簡単に箇条書きで要約します。
- 科学技術は社会をより良くする。
- 科学、技術とイノベーションは、SDGs実現に欠かせない。
- 大阪 G20に集った世界のリーダーたちは、2050 年までに、海洋プラスチックごみによる新たな汚染をゼロにすることを誓った。
- プラスチックは、20世紀が生んだ偉大な発明のひとつである。
- よって、プラスチックを敵視したり、その利用者を排斥したりすべきではない。
- 必要なのは、ゴミの適切な管理であり、イノベーションに解決を求めることである。
- 日本の企業(カネカ)が、石油由来でなく、植物油がもとになり、石油で作ったプラスチックと同じ性能を獲得しながら、土の中、水の中でまた微生物に分解されるという「生分解性プラスチック」の量産に成功。
このような、感じです。
次の項目で、「生分解性プラスチック」について簡単に説明します。
生分解性プラスチックとは
「自然界において微生物が関与して環境に悪影響を与えない低分子化合物に分解されるプラスチックである」と、1989年の生分解性プラスチック研究会により定義されたが、1993年のアナポリスサミットにおいて、「生分解性材料とは、微生物によって完全に消費され自然的副産物(炭酸ガス、メタン、水、バイオマスなど)のみを生じるもの」と再定義された。
生分解性プラスチックの利点
- 有機肥料の質に影響を与えない。
- 埋め立てたり投棄されても、微生物が食べて分解してくれるので、ゴミとしてたまることがない。
- 天然資源由来の物は化石燃料を使用せず、化石燃料枯渇の未来において唯一のプラスチック製品である。
- 生分解性プラスチックを組み込んだ製品が環境に優しいとアピールできる。
生分解性プラスチックの欠点
- 通常のプラスチックより高価である。
- プラスチックの利点であった耐久性、機能性に劣る。
- 使い捨てを前提にしたものであるため、リサイクルやリユースに向かない
- 我々の生活する環境に耐えられず、使用中あるいは保管中に分解が進み、使用不能となる可能性がある。
- 微生物によって分解させるので、埋め立て処理などをする場合は、その時の微生物の状態、気候などにより、結果が異なる。そのため、管理された状況下でないかぎり、分解にどれぐらいかかるのかは分からない。
通常のプラスチックは、安価で軽いとか、丈夫で加工しやすいとか、メリットはたくさんあるかと思います。
しかし現状の生分解性プラスチックの利用は、限定的になってしまうだろうと思います。
仮に生産コストが下がり、安価で製造販売が可能になったとしても、現状では耐久性がないので、長期利用できないのは困りものです。
2000年代には日本の多くの自治体で環境に優しい素材としてもてはやされ印鑑登録書のカードの素材として使われていたが、発行して数年後にカードが分解されてしまい破損が多発したため、それらの自治体は交換を呼びかけている実例もあります。
まとめ
スターバックスコーヒーや、マクドナルドがプラスチックストローを廃止する、というニュースは記憶に新しいと思います。
良いことだと思います。
ただ、プラスチックが世の中から無くなるということは、私には想像できません。
生分解性プラスチックは使用が限定的になってしまうかと思いますが、使用しなければいけない商品等は、法律等で義務化すべきではないかと考えています。
その際は、製造過程から流通までブロックチェーンで管理し、トレーサビリティが担保できるので万全ですね!